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2009/10/29

飯能(その2)

 前回に引き続き、10月20日の研修会の続報です。
 飯能の林業地を訪れたあとは、吾野(あがの)原木センターの見学。
Blogdsc02053  
 大きな材も出ており、写真は樹齢約160年の材。
Blogdsc02057 山の苦しみは市場の苦しみでもあり…平成20年、この市場の取扱量は平成元年の約58%、売上高に至っては約16%となっています。 
 ここで思い知らされたのは、国産材の「値崩れ」と言っていいほどの価格低迷です。

 この原木市場では、杉丸太は3メートルの柱がとれるものの場合、1立方メートルあたり現在は平均¥9,000-(平成21年9月)で取引されています。
 平成元年には同程度のものが、平均¥28,000-だったのですから、ちょっと考えられないほど下がっています。
 一本¥1,000-以下の丸太もあるんです!
 
 「無垢は高いんでしょ」。よく言われますが、今は外材と比べても価格差はありませんし、床材でいえば合板フローリングの方が高いことすらあります。
 材料代に関しては、国産の杉や檜が十分選択肢に入っていける状態なのです。
 (大手のハウスメーカーでも国産材の買い付けに力を入れているといわれています。)
 
 ここまで下がったのは、為替や輸入自由化の影響もあるのですが、「住まいが変わってしまった」こと、建て主の住まいに対する意識の変化があげられると市場の鴨下社長がおっしゃっていました。
 
 「板目」「柾目」「節」と聞いて、頭の中に想像ができますか?
 
 他にも板材の模様を「杢(もく)」と呼んで、日本人は親しんできました。「中杢」「笹杢」「筍杢」「玉杢」「縮み杢」…。
 
 親の世代(~昭和20年代生まれ)には昔ながらの「真壁」の家に住んだ人は多いことでしょう。部屋の中から黒光りする柱が見え、板の間があったり、二間続きの畳の部屋。天井も板材です。そしてトイレは離れていて暗く、冬は恐ろしく寒い…。(これは私の祖母の家の記憶です)
 
 今はどうでしょう、住みながらに無垢材の手触りや、香りや、木目を楽しんでいる人はごく少数。
 「大壁」の家では柱や梁は壁の中に隠れてしまいますので構造材を見ることすらできません。
 鴨下社長、「日本の文化はどうなるのでしょう」。嘆いておられました。
 
 埼玉の杉や檜は手入れの行き届いた良材です。ぜひ見えるところ、触れるところで使って毎日楽しんでいただきたいと思います。
 こんな時期だからこそ、こんな価格だからこそ、家のどこかに地元の材料を…。 
Blogdsc020591  それにしても、山の人、木に触れてお仕事する人たちの表情は実に柔らかいのが心に残る見学でした。(写真は競りの様子)

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