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2010年8月

2010/08/21

“これも自分と認めざるを得ない”展

 今までtwitterでつぶやいていましたが、今日はブログで久々にまとまった記事です。
 
 8月19日、六本木の東京ミッドタウンにある21_21 DEDIGN SIGHT に出かけ、佐藤雅彦さんの“これも自分と認めざるを得ない”展、「体験」してきました!
 
 そう、この展覧会は人間の持つ「属性」をテーマにした体験型の展覧会です。
 
 私はこの展覧会で、それぞれの作品における自分の感情の他に、作品における子どもたちの反応、またそれを見ての自分の感情の変化を体験することができました。
 
 それは楽しさと共に、背中に粘性の高い液体を流し込まれたような、気味の悪さを持っていました。
 
 2048という作品では、目の光彩の模様を読み取ることで個人を特定する「虹彩認証」の技術が使われていますが、0と1のパターンに変換され表示された画像を前に「これがあなたです」と冷静かつ自信たっぷりに断定されると、すごい違和感を覚えます。
 ナレーションもすごいし、「これがあなたの光彩パターンです」といわないところが恐ろしい。 
 
 「これは私かもしれない、確かに私なんだろうけど、今こうやって違和感を覚え、息を呑んでいる生身の私全部が「私」だよ!」と言いたくなるのです。 
 
 
 指紋の池という作品では、思いもかけないことが起こりました。
 
 指紋認証の技術を用い、自分の指紋が大きな画面に泳ぎだしていくのですが、 他の展示を見ている間も何となく、気になるのです。それは、実社会で指紋が認証されると本人の知らないところで様々に「活用」されるのではないかという漠然とした不安感と無縁ではないようです。
 
 思いもかけないことは、再びこの作品の前で次男が指紋認証をはじめたときに起こりました。

 通常であれば二度目の認識で、画面手前の枠に自分の指紋が「戻って」来るのです。しかし次男は小柄な小学二年生、指が小さいせいか、何度認識しても自分の指紋が戻ることはなく、毎回「指紋の池」に泳ぎだしていってしまうのです。
 
 その時の次男の悲しそうな顔…自分の属性を認識されないというのがどんなに心許ないことか、存在を否定されるとはこういうことなのか…この突発的な出来事で、強く感じられたのでした。
 
 次男の災難はさらに続き、「佐藤雅彦さんに手紙を書こう」では、佐藤さんに 「好きな食べ物は何ですか?」と書いたのに返事の中に回答がなかったとがっくりしていました。この作品の意図はそこにはないので、うっかりやらせた私が悪かったのです…(T_T)。
 
 次男の悲しみは次第に怒りに変わり(笑)、次に行った「大昆虫博」の会場まで機嫌が直りませんでした…こちらの展覧会を先にしていて良かったかもしれません(^_^;)。
 
 DESIGN SIGHT を主宰する三宅一生さんに「美術館の中で完結しない、ある意味すっきりしない、考えさせるような展覧会に」ということで依頼を受けたと佐藤さんがおっしゃっていましたが、見事な展覧会だったと思います。
 
 おもしろいけど、実はホラーな展覧会です。ぜひ足を運んでみてください。

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