建築

2017/04/22

レーモンド事務所を訪ねて

 私が建築の専門学校で最初に取り組んだ課題は前川國男邸の図面トレースだった。複雑な図面ではなかったが不器用な私は空間の良さを味わう余裕もなく青息吐息で提出した。
 その次の課題は自分の好きな建築を選んで図面とともに紹介するというもので、建築家なんてロクに知らない私は四苦八苦して吉村順三さんの南台町の家を選んだ。提出後に、ここで紹介する建築が後々の仕事に結構影響するんだと聞かされた。その時はそんなもんかと思ったが、今になるとあながち間違いでもないように思う。

 4月14日、建築士会の研修で代々木のレーモンド事務所を訪れた。前川國男さんも吉村順三さんもこの事務所に籍を置いて仕事をされていたということで、(一方的に)感慨深いものがあった。この事務所には昭和25年に建てられた木造の旧事務所が一部移設され、今でも大切に維持されている。

 レーモンドメモリアルルームというその部屋に足を踏み入れた途端、何か懐かしい心地がした。素材を活かし、見せること。材料にはお金をかけていないが家具や開口部のあり方、構造などは吟味されていること。
 暖炉もごく簡素な作りだが良く燃えるよう設計されていて今でも現役だそうだ。懐かしくはあるが、決して古くさくないところが設計の力だと思う。

 なるほど…吉村建築の原点がここなのかと納得。
 良い縁をいただき元気をいただいた1日となった。

(事務所の方には建築の紹介の他にもこぼれ話をたくさんしていただき、また生花が美しく活けられた清潔な館内にはお心遣いの細やかさを感じました。有難うございました。)

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2009/10/29

飯能(その2)

 前回に引き続き、10月20日の研修会の続報です。
 飯能の林業地を訪れたあとは、吾野(あがの)原木センターの見学。
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 大きな材も出ており、写真は樹齢約160年の材。
Blogdsc02057 山の苦しみは市場の苦しみでもあり…平成20年、この市場の取扱量は平成元年の約58%、売上高に至っては約16%となっています。 
 ここで思い知らされたのは、国産材の「値崩れ」と言っていいほどの価格低迷です。

 この原木市場では、杉丸太は3メートルの柱がとれるものの場合、1立方メートルあたり現在は平均¥9,000-(平成21年9月)で取引されています。
 平成元年には同程度のものが、平均¥28,000-だったのですから、ちょっと考えられないほど下がっています。
 一本¥1,000-以下の丸太もあるんです!
 
 「無垢は高いんでしょ」。よく言われますが、今は外材と比べても価格差はありませんし、床材でいえば合板フローリングの方が高いことすらあります。
 材料代に関しては、国産の杉や檜が十分選択肢に入っていける状態なのです。
 (大手のハウスメーカーでも国産材の買い付けに力を入れているといわれています。)
 
 ここまで下がったのは、為替や輸入自由化の影響もあるのですが、「住まいが変わってしまった」こと、建て主の住まいに対する意識の変化があげられると市場の鴨下社長がおっしゃっていました。
 
 「板目」「柾目」「節」と聞いて、頭の中に想像ができますか?
 
 他にも板材の模様を「杢(もく)」と呼んで、日本人は親しんできました。「中杢」「笹杢」「筍杢」「玉杢」「縮み杢」…。
 
 親の世代(~昭和20年代生まれ)には昔ながらの「真壁」の家に住んだ人は多いことでしょう。部屋の中から黒光りする柱が見え、板の間があったり、二間続きの畳の部屋。天井も板材です。そしてトイレは離れていて暗く、冬は恐ろしく寒い…。(これは私の祖母の家の記憶です)
 
 今はどうでしょう、住みながらに無垢材の手触りや、香りや、木目を楽しんでいる人はごく少数。
 「大壁」の家では柱や梁は壁の中に隠れてしまいますので構造材を見ることすらできません。
 鴨下社長、「日本の文化はどうなるのでしょう」。嘆いておられました。
 
 埼玉の杉や檜は手入れの行き届いた良材です。ぜひ見えるところ、触れるところで使って毎日楽しんでいただきたいと思います。
 こんな時期だからこそ、こんな価格だからこそ、家のどこかに地元の材料を…。 
Blogdsc020591  それにしても、山の人、木に触れてお仕事する人たちの表情は実に柔らかいのが心に残る見学でした。(写真は競りの様子)

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2009/10/22

飯能(その1)

 10月20日、埼玉県木づかいコーディネーター養成講座の一環として、埼玉県飯能市での実地研修に行ってきました。
 
 まずは西川林業地の見学。
 大変手入れの行き届いた、美しい杉、檜の林です。
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 「西川」とは、荒川の西の方、今で言う飯能、越生、日高、毛呂山地域では江戸時代から品質の良い木材が供給されたことから、この地域の材を「西川材」と呼んでいました。いわゆるブランド材です。そこから逆にこの地域を西川と呼ぶようにもなった…ということです。
 
 戦前は杉・檜の林は全体の5割、残りは薪炭林(しんたんりん→文字通り、伐採して薪や炭にするための林)でしたが、戦後は需要の変化により8割が杉・檜の林となっています。枝打ちを施し、節の少ない優良材を出荷しています。
 
 この林業地の特徴は、全体の規模が小さいだけでなく(約2万㎡)、個人の所有規模も小さい(数ヘクタール)ことです。そのため、大きな出費に備えて一部の木を切らずに残し、大径木として高く売る工夫をしていました。これが立て木です
Blogdsc02052  立て木は主に神社仏閣の建築に使われます。

 平成に入ってから、杉・檜の木材価格は驚くほど下がってしまいました。平成元年の半値はおろか、3分の1近くにまで!!
 
 埼玉県は供給地でもありますが、大需要地でもあるんです。
 西川では県内需要の20%くらいしか満たせない。でも価格はこんなに下がっている。ここに林業の問題の深刻さがうかがえると思います。
 
 また林業の特殊性として、投資を回収するのが数十年後、あるいは百数十年後ということです。今植えた木は、子供や孫の世代になってようやく売れるのです
 どういう樹種、どんな品種を植えればいいのか…手間はどこまでかけられるのか…末端の消費者の意識が変化していく中で決断しなければならないわけです。
 
 美しい林の中で、厳しい現実がありました
 
 でもきっと、埼玉ならではの打開策があるような気がしています。

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2009/09/09

世田谷美術館

 前回に続いて建築の見学研修会の話です。
 用賀プロムナードを歩き、砧(きぬた)公園を歩き、次の目的地、世田谷美術館です。
 
Blogdsc01906  世田谷美術館(設計:内井昭蔵建築設計事務所 竣工:1985年)。
 元ゴルフ場だった、砧公園内にあります。樹木に隠れて、うんと近づくまでは全体を見るのが困難です。
 
 公園内にある、地域の人たちのための美術館がどういう形態であるべきか、真摯に考えられ、訪れた人にも愛されている建物です。
 
 今回は、内井事務所で設計・監理を通してこの美術館に深く関わった、幸田 章さんの解説のもと、普段見ることが出来ないバックヤードも含め見学させていただきました。
 
 子供達は、はじめこそ「公園で遊びたい~!」と駄々をこねておりましたが、どうやらただの美術鑑賞ではないとわかり、それなりにおとなしく「参加」していました。(当日の参加者の皆さん、講師やスタッフの皆さん、いろいろと配慮いただきありがとうございました!)
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 建物の大きなポイントは「高さ」と「素材感」と「」です。
 
 公園内の美術館として、公園の一部となるよう外観の高さを抑え分棟形式とし、必要なボリュームは地下に持ってきています。また、内部も大作を展示する空間の他に天井高2.4メートルの、住宅の居間のような空間もあり、展示空間は比較的小さな単位で区切られています。
 先般紹介した東京国立博物館とは考え方も空間も全く異なることがわかります。
 
 設計者の内井昭蔵さんは、この美術館を「書斎」に行くように訪れて欲しいと考えたそうです。観覧者の少ない日を選んで、椅子にゆっくりと腰掛けて作品を見たり、廊下で休んだりできれば、この美術館の良さを満喫できるでしょう。
 実際、「疲れにくい」という感想をもらうそうです。
 
 外観はプレキャストコンクリート打ち込みタイルですが、平板で堅い印象となるのを避け、形や表面仕上げ、目地に工夫を凝らし柔らかい印象に仕上げています。美術館全体を通して石やタイル、木材や金属とあらゆる素材が使われていますが適材適所、素直に配しているため雑然とした感じは受けませんでした。
 
 収蔵庫は床がブナ、天井と壁がケイカル板下地の杉板張りでいずれも無塗装。
 ケイカル板と壁の杉板との間に空気が流れるようになっており、湿度調整の役目を果たします。人の出入りが制限される特殊性もあり、大変きれいに維持されており、築20年ながら木の香りが漂ってきたほどです。
 
 窓は多くの美術館がスクリーンを降ろした状態で使用するか、または設計上窓を少なくして建てられている中、非常に開放的な印象を受けます。見学した日も窓から柔らかい光と木々の緑が感じられました。世田谷美術館では窓に紫外線防止フィルムを貼って作品の劣化を防いでいるそうです。
 
 設計理念に忠実に建物を実現させ、維持することには大きなエネルギーを必要とします。
 世田谷美術館はそれに成功した建築であり、開かれた公園美術館として地域の人に愛されて20年、銅版画などの作品製作が出来るアトリエの稼働率も良いそうです。
 
 時間をたっぷり取って、ぜひお出かけ下さい。
 波や渦をイメージした装飾を探すのも楽しいです。
 
 見学を終えて、再び用賀プロムナードを通り、用賀駅へ…
 設計者から直に解説を受けることができ、駆け足ながらも充実した1日でした。
 研修会が始まって4時間、3キロたっぷり歩き、子供達はぐったりしていましたが、がんばってくれました!次男は帰りの電車で爆睡(笑)…おつかれさま。

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2009/09/02

用賀プロムナード(東京都世田谷区)

 8月27日、所属する建築士会の見学研修会として、東京都世田谷区にある用賀プロムナードと世田谷美術館を見学してきました。
 
 例によって子連れ参加…「お母さんに付き合って、しょうがなく出かけた」子供達、家から片道2時間、さらに3時間以上の見学会に耐えられるのか?
 
 まずは用賀プロムナード。象設計集団+計画技術研究所 設計、1986年。
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 これは建築物ではなく、用賀駅と都立砧公園(きぬたこうえん)を結ぶ約1Kmの生活道路の修景計画です。たとえ、車の入り込む生活道路であっても住民の憩いの場として計画できると言う好例です。
 
Blogdsc01900  23年経って、緑は深くなり、親水空間はより魅力を増しているようです。
 最初はつまらなそうにしていた子供達も、目の色が変わってきました。我が家の子供達はそろって引っ込み思案なのですが、うれしそうにアーチ状の橋を渡り、水面を眺め、木々を見つめて昆虫探し…。
 たまたま来ていた保育園の一行も楽しそう。職員の方が「いいですよ、ここは(^^)」。
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 ここには経済効率を考えたら「余計なもの」がたくさんあるんです。敷き詰められた瓦には百人一首がかたどられ、所々には鬼瓦がにらみをきかせ、歩道とともに水路も走り(この水路、月に2回都が清掃を行っているそうです)…オブジェのような椅子や橋も。
 
Blogdsc01891  でも、「住民のコミュニティーを、道路によって寸断しない」という目的においては無駄なものは一つもないと思いました。同じ駅に行くのでも、普通の道よりもこのプロムナードを歩く方が楽しいもの(^^)
 
 水路も、きれいに保つために都が清掃していますが、私たちが行ったときに近所の方が落ち葉を取り除いておられました。少し話を聞いたのですが、「だから面倒で困る」という話にはならないんです。もう、すっかり生活の一部に溶け込んでいるようです。すばらしい…。
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 以前紹介した宮代町の進修館もそうなのですが、愛される何かを、象設計集団の計画は持っているのです。
 
 それは何なのか、ちゃんとつかめたわけではないし、これからも考え続けることになるのでしょうが、視覚だけに限らない、「身体感覚」を大事にしているのは確かだと思います。身体感覚を大事にした建築…だけど人間のためだけに建てているのでもないように思います。
 
 一応人間のために建てるんだけど、役目が終わったら植物や昆虫、動物が使ってくれそうな…
 
 今回も、そんな懐の深さを感じる見学でした。
 世田谷美術館については次回に!
 

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2009/05/07

新潟県栃尾のまちづくり

 この連休は例年通り夫の実家のある新潟県に帰省しました。
 子供達にとっても、山菜採りや畑仕事の手伝いなど、普段できないことが経験でき、楽しかったようです。
 
 そんな中、母の希望で長岡市栃尾(旧栃尾市)を訪れました。
 
 ちょうど手まりまつりの期間中で、直径50センチ以上ある大玉から小さな携帯ストラップまで、多様な手まりを見ることができました。飾り物なので、色あせしにくい糸が使われているそうです。
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 その後、少し街を歩いたのですが、ところどころで新しい雁木が目につきます。雁木とは豪雪の新潟らしい半戸外のしつらえで、建物を敷地から引っ込ませて建て、空いたところに柱と屋根で雨や雪をしのげる空間を作ることです。
 それぞれの家が雁木を作ることで、ちょっとしたアーケードのような空間が生まれるのです。
 
 その新しい雁木は姿もいろいろ。
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 後で調べたら、12年前から新潟大学工学部建築学科と共同でこの地区の街づくりが行われているそうで、これら新しい雁木は学生が設計し、地元の大工さんと共同で作られたものでした。
 
 雁木を中心に据え、そこを多くの人に歩いてもらって地域の活性化にもつなげようという試みは、地元の人にとっては当たり前のものに光を当てるという地味なものです。ですがこれがかえって他にはない、地域の魅力や財産となっていくことでしょう。
(観光マップをいただきましたが、手書きで親しみやすく、地元の思いが伝わる地図でした ^^) 

 栃尾のまちづくりについて、詳しくはこちら

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2009/03/20

東京国立博物館(その2)

 前回に続いて、東京国立博物館のレポートです。
 ここには本館の他にも魅力的な建築がたくさんあります。そのうちの3館を紹介します。
 
 まず表慶館
 1909年(明治42年)開館。片山東熊(かたやま・とうくま)の設計による、明治期を代表する洋風建築です。現在は特別展の開催時のみ、中に入ることができ、内部の写真撮影はできません。
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 一見、石造りに見えますが、この石は表面だけ。実は煉瓦造だそうで、埼玉県・深谷の煉瓦が使われているそうです。
 
 次に東洋館
 1968年(昭和43年)開館。谷口吉郎設計。
 向かい合う表慶館とのバランスを配慮し、軒の高さをそろえていますが、神社やお寺などを思わせる日本的な外観です。
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 本館、表慶館のような装飾はなく、半階上がって床がある「スキップフロア」や吹き抜けにより、館全体の一体感が感じられる内部空間です。
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 残念ながら、現行の耐震基準に合わないとのことで6月より耐震補強工事に入るようですので、オリジナルの建築を体験できるのは今年5月までになります。
 
 最後に法隆寺宝物館
 1999年(平成11年)開館。谷口吉生設計。
 表慶館の東側に建てられ、建物前面に人工池があります。これが仏像などを展示する宝物館と外部との区切り(これを結界と言います…神社における鳥居を考えていただけると分かりやすいかと思います)になっており、入り口が小さめなのもこの結界を意識させる仕掛けです。
 中に入って外を見ると、なるほど外部との縁が切られたように感じました。表慶館と近いはずなのに、遠く感じるんです。
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 内部の家具の選定だけでなく、その設置場所にも設計者の強い意志が表れています。
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 展示室では仏像の展示方法が今までに私が経験したことのないものでした。
 写真のように、展示物の周りをぐるりと見て回れます。(展示物を地震から守るために、免震構造が採用されているそうです)
 展示物の名前などを記したプレートは、正面ではなく側面にあります。
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 展示物を心ゆくまで鑑賞できるように、との「もてなし」を感じる展示室でした。
 
 このほかにも庭園やお茶室もあり、建物(内部も含め)をざっと見て回るだけでも1日では足りないと思います。
 
 博物館内には食事のできるレストランもありますが、平成館には持参したお弁当を持ち込めるラウンジがあります。私が行ったときにはそこで京都の和菓子を売っており、その場で食べることもできました。
 
 子供達の学校生活が軌道に乗ったら、朝から子供達の帰宅ぎりぎりまで見るつもりで、また行きたいと思っています。
 

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2009/03/06

東京国立博物館(その1)

 2月27日、建築士会の見学研修で、上野の東京国立博物館に行ってきました。この博物館は「建築の博物館」と言ってもいいくらい見所があるのですが、15年関東に住んで、初めて訪れるというヘタレな私です(^_^;)。
 
 主な建物だけでも、本館、表慶館、東洋館、平成館、法隆寺宝物館。
 建物だけに絞ってもとても一日では見て回れません…。また行かなくては!
 
 まず本館について。
 1938年(昭和13年)開館。設計は渡辺仁。鉄筋コンクリート造に瓦屋根を乗せた「帝冠様式」の代表作で、重要文化財。
 ここまでは「ふーん」という感じですが、中に入ってその手のかかりように仰天です。
 
 これが外観。この建物の向きは、まっすぐ皇居(正確には江戸城本丸)に向いているそうです。
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 中に入ると、何もかもが大きい、広いです。大理石の階段、ドアの大きさ、天井の高さ。
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 でもそれを大味にさせないのが細かい装飾でした。
 階段の手すりにも植物をモチーフとした装飾。
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 階段脇のステンドグラスは、それ自体ももちろんですが、固定する枠にも細かな装飾が。
Blogdsc01536Blogdsc01537   
 展示室内は緩やかなふくらみを持った天井、自然光を取り入れるための窓を持った(現在、窓はスクリーンで閉鎖されています。展示品保護のためと思われます)ゆったり、すっきりとした空間ですが、給排気のグリルにはきっちり装飾が。
 
 展示室を順に見ていくと、ロの字型の館内をぐるりと1周できる明快な平面構成です。
 
 その途中にあるラウンジは素晴らしかった!
 窓からは庭園とお茶室を臨むことができ、床と壁のタイル仕上げが本当に気持ちよかったです。
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 中でも壁のタイル装飾は圧巻で、仕上げた後でタイル周りの左官材(色漆喰?)をわざわざ掻き落としています。タイルメーカーのINAXがこの壁の再現を試みたものの、このように仕上げることはできなかったそうです。
   
Blogsc01541Blogdsc01542 ぜひ一度、行ってみて体感してみて下さいね!
 (今写真を見て、この部屋にこのソファとソファテーブルで良いのかな…ちょっとモダンすぎるのでは?と思いました。皆さん、どう思われますか?)

 なお、写真撮影は博物館の指示に従って、認められた場所で行っています。
 禁止箇所もありますのでご注意下さい。

 長くなるので続きは次回に(^^)/。
 

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2008/08/02

進修館(埼玉県宮代町)

 7月26日、埼玉県宮代町にある進修館(1980年:象設計集団)に行ってきました。進修館前の広場が、みやしろの顔づくりプロジェクトの一環として、住民参加のもと拡張・整備されたということを知らせて下さった方がいたのです(Tさん、ありがとうございます ^^)。

Blogdsc00601  「進修館と宮代町立笠原小学校は行ってみるといいよ!」専門学校時代、同級生に絶賛され頭の片隅にはあったのですが、実際に行くまで15年もかかってしまいました…。
 吸い込まれるような入口部分…いい場所選んで座ってらっしゃいます(^^)。
 
Blogdsc00600 Blogdsc00594  その日は広場完成イベントが開かれており、最高気温は32度くらいでしたが、敷地内が屋外でも明らかに涼しいのです。子供達も「風が良くながれてなんだか気持ちいいね」と言っていました。
 建物内部は冷房が稼働していたと思うのですが、それも「なんだか気持ちいい」のです。冷房特有のいやな寒さがなく快適でした。
 
 行ってみて、「宮代町の宝物がここにある」と思いました。公共建築としてはかなり変わった建物ですが、コミュニティセンターとして9割を超える稼働率なのだそうです。
 そして、効率一辺倒でないおもしろさがこの建物全体にあります。建物内外の至る所に座れる場所がある。出入り口もたくさんある。ブドウのモチーフを探すのも楽しいです。そして回廊の美しさ。内部の家具も象設計集団の設計です。
 Blogdsc00585
Blogdsc00576Blogdsc00574Blogdsc00575 Blogdsc00587     はじめは渋々ついてきた我が家の子供達も、「変わった建物だけど、おもしろかったね!」
 
Blogdsc00590  細部まで非常に手のかかった作りだし、手のかかった設計だと感じます。豊かさのある空間はいつまでも記憶に残るものですが、進修館は宮代の人たちの記憶に残る建築だと思います。
 
 今度は一人で、じっくり一日かけて行ってみたいと思います。建物全体が緑に覆われた進修館もいつの日か見たいです。
 
 象設計集団のホームページは→こちらから。
 ぞぶろぐ(象設計集団のブログ)の関連ページは→こちらへ。

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2008/05/31

21_21 DESIGN SIGHT のトイレ

 前回の記事にあります 21_21 DESIGN SIGHT は、デザインを通して世界(人々の営みに関わるすべて)を見る場所、未来を見通すデザイン発信の場として2007年3月に開館した、民間の施設です。建物の設計は安藤忠雄さん。
 
 ここで私は久々にドッキリ体験いたしました。それは…
 女子トイレの個室!
 
 個室以外の手洗いも含めてステンレスの内装。照明は普通の施設に比べ、抑えてあります。そして個室に入ろうとドアを開けると…真っ暗闇。
 そしておもむろに照明がつく…時間にしたら2秒あるかないかなのですが、多くの人が利用する空間は煌々と明るいのが普通ですからかなりドキドキしました。
 後で見たら10代前半の女の子達が、「このトイレ怖いよ~」とか何とか、キャーキャー(彼女たちの名誉のために言いますが、大騒ぎではありません。彼女たちの声が年齢的に高いのと、素直な驚きの気持ちが出たものです)言いながら入っていきました。
 
 こんな都会で、闇が体験できるとは思いませんでした。
 節電も出来て(センサーライトなので、個室に人がいないときは照明はつかない)、ちょっとドキドキ出来る。おもしろい設計です。
 この建物が、デザインに興味がある人を対象にしていること、乳幼児の利用をあまり考えなくて良いという点も、このような空間ができた理由の一つでしょう。
 
 どこでも明るくすればいいというものではありません。それを再認識させてくれる空間です。
Blog  
 
 当ブログもおかげさまで7,000アクセスを超えました。ご来訪ありがとうございます。最近は、アクセス地域(都道府県)も広がりを見せ、うれしい限りです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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