進修館(埼玉県宮代町)

 7月26日、埼玉県宮代町にある進修館(1980年:象設計集団)に行ってきました。進修館前の広場が、みやしろの顔づくりプロジェクトの一環として、住民参加のもと拡張・整備されたということを知らせて下さった方がいたのです(Tさん、ありがとうございます ^^)。

Blogdsc00601  「進修館と宮代町立笠原小学校は行ってみるといいよ!」専門学校時代、同級生に絶賛され頭の片隅にはあったのですが、実際に行くまで15年もかかってしまいました…。
 吸い込まれるような入口部分…いい場所選んで座ってらっしゃいます(^^)。
 
Blogdsc00600 Blogdsc00594  その日は広場完成イベントが開かれており、最高気温は32度くらいでしたが、敷地内が屋外でも明らかに涼しいのです。子供達も「風が良くながれてなんだか気持ちいいね」と言っていました。
 建物内部は冷房が稼働していたと思うのですが、それも「なんだか気持ちいい」のです。冷房特有のいやな寒さがなく快適でした。
 
 行ってみて、「宮代町の宝物がここにある」と思いました。公共建築としてはかなり変わった建物ですが、コミュニティセンターとして9割を超える稼働率なのだそうです。
 そして、効率一辺倒でないおもしろさがこの建物全体にあります。建物内外の至る所に座れる場所がある。出入り口もたくさんある。ブドウのモチーフを探すのも楽しいです。そして回廊の美しさ。内部の家具も象設計集団の設計です。
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Blogdsc00576Blogdsc00574Blogdsc00575 Blogdsc00587     はじめは渋々ついてきた我が家の子供達も、「変わった建物だけど、おもしろかったね!」
 
Blogdsc00590  細部まで非常に手のかかった作りだし、手のかかった設計だと感じます。豊かさのある空間はいつまでも記憶に残るものですが、進修館は宮代の人たちの記憶に残る建築だと思います。
 
 今度は一人で、じっくり一日かけて行ってみたいと思います。建物全体が緑に覆われた進修館もいつの日か見たいです。
 
 象設計集団のホームページは→こちらから。
 ぞぶろぐ(象設計集団のブログ)の関連ページは→こちらへ。

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21_21 DESIGN SIGHT のトイレ

 前回の記事にあります 21_21 DESIGN SIGHT は、デザインを通して世界(人々の営みに関わるすべて)を見る場所、未来を見通すデザイン発信の場として2007年3月に開館した、民間の施設です。建物の設計は安藤忠雄さん。
 
 ここで私は久々にドッキリ体験いたしました。それは…
 女子トイレの個室!
 
 個室以外の手洗いも含めてステンレスの内装。照明は普通の施設に比べ、抑えてあります。そして個室に入ろうとドアを開けると…真っ暗闇。
 そしておもむろに照明がつく…時間にしたら2秒あるかないかなのですが、多くの人が利用する空間は煌々と明るいのが普通ですからかなりドキドキしました。
 後で見たら10代前半の女の子達が、「このトイレ怖いよ~」とか何とか、キャーキャー(彼女たちの名誉のために言いますが、大騒ぎではありません。彼女たちの声が年齢的に高いのと、素直な驚きの気持ちが出たものです)言いながら入っていきました。
 
 こんな都会で、闇が体験できるとは思いませんでした。
 節電も出来て(センサーライトなので、個室に人がいないときは照明はつかない)、ちょっとドキドキ出来る。おもしろい設計です。
 この建物が、デザインに興味がある人を対象にしていること、乳幼児の利用をあまり考えなくて良いという点も、このような空間ができた理由の一つでしょう。
 
 どこでも明るくすればいいというものではありません。それを再認識させてくれる空間です。
Blog  
 
 当ブログもおかげさまで7,000アクセスを超えました。ご来訪ありがとうございます。最近は、アクセス地域(都道府県)も広がりを見せ、うれしい限りです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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林芙美子記念館

 3月27日には、作家の林芙美子さんが生前住んでおられた家(1941年:山口文象設計)にも行ってきました。現在は「林芙美子記念館」として一般に公開されています。
 
 入口には「家をつくるにあたって」という文があり、それによると、
 ・家を建てるについての参考書を二百冊近く読み、材木や、河原や、大工についての知識を得た。
 ・東西南北風の吹き抜ける家というのがこの家に対する最も重要な信念であった。
 ・客間には金をかけないことと、茶の間と風呂と厠と台所には十二分に金をかけることを考えた。
 
 設計者にとっては、知識が豊富で非常に厳しい建て主でありながら大事にしたいことが明確であり、やりがいのある仕事であることがうかがえます。
 
 そして今回の見学で感じたのは建築と樹木は切っても切れない関係があるということです。ここに来る前に「徳川ヴィレッジ」あたりも歩いてきましたが、低層の住宅の間に桜などの樹木が大事にされていて、非常に落ち着いた印象を与えます。
 
Blogdsc00430  近年は郊外や山間の住宅でも都市住宅のように「敷地にめいっぱい建て、申し訳程度にコニファーなど植えている」新築住宅が増えてきましたが、すごく疑問に思います。このまま行けば、住宅地は日本中どこに行っても同じ風景になってしまう(しかも美しくない)…。
 
Blogdsc00424  印象に残った場所は…この中庭。この家は戦時中の建坪制限により、二棟の建物で構成されており、後で連絡部分をつくってつないでいます。中庭は二棟の建物の間にあたります。
 二間という幅、建物の高さ、軒の高さと軒やけらばの出、植えられた樹木…まだ自分の中では消化できていませんが、心地よさのヒントがありそうです。
 

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東京カテドラル聖マリア大聖堂

 3月27日、埼玉建築士会の見学研修で、都内の目白~中井を歩いてきました。事前に子連れ参加できるか問い合わせたところ、大丈夫とのことで本当にラッキーでした。(当日参加された皆さんにはお気遣いいただき、感謝しています。)
 
 最初に見学したのは、東京カテドラル聖マリア大聖堂(1964年:丹下健三)。構造はシェル構造(ハイパボリック・パラボロイド・シェル)…その名の通り貝のように比較的薄い壁で大空間を構成できるのが特徴です。この聖堂では8枚のパネルをねじって十字形に組み合わせた形となっています。
 
Blogdsc00404  40年以上前にこれを作ろうと思い立った設計者のエネルギーと、実際に作ってしまった施工者のエネルギーをひしひしと感じます。
 
 内部は撮影禁止でしたから写真はありませんが、圧倒的な迫力がありながらも自然光がうまく制御されていて落ち着きある空間でした。礼拝の時の音響も体験したいところです。
 大礼拝堂の脇には「マリア祭壇」があり、こぢんまりとして居心地よく感じました。机と椅子が並ぶところは天井が低く、祭壇に向かってぐっと高くなり、天窓から自然光がやわらかく落ちてきます。
 
Blogdsc00408  共通に使われている木の扉。十字のモチーフはここにも使われています。奥まったところに計画され、あまり傷んでいません。
 
Blogdsc00412  小礼拝堂への小道。(子供の身長は約1メートルです)
 誘われるような、吸い込まれるような道です。
 
 最後にスケッチも(恥を忍んで)アップします。
Blog

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建築士会に入りました

 長男の小学校生活も時間割通りとなり、次男も一日保育が始まり(といっても13:40には帰ってきますが ^_^;)、次第に落ち着きを取り戻しつつあるけやき一家です。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 仕事を辞めてもうすぐ8年。長いブランクではありますが、ことしは仕事復帰に向けて準備の年と決めました。まずは建築士会に入会です。仕事に必要な講習や説明会の情報が入りますし、研修プログラムもありますから、上手く活用したいと考えています。

 また、建築士会には独自の制度として「専攻建築士制度」があります。これは消費者保護と建築士の責任の明確化を目的に作られ、例えば設計専攻建築士となるには5年間の実務経験、3件以上の実績、継続能力開発研修250単位以上の取得が条件です。
 設計を依頼した建築士が専攻建築士であれば、一定の研鑽を積んでいると判断できます。

 今までは設計事務所に勤務していたので入会していませんでしたが、入会して会員証を受け取ると、「私、建築士だったんだ」と改めて実感しました。(長らく専業主婦だったもので ^_^;)

 あとは錆びついた頭が上手く機能してくれるか…です(笑)。 がんばります(^^)。

 建築士会とはこんなところ…建築士会連合会のページはこちら
 (専攻建築士制度や研修制度について詳しく書かれています)

 

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島根県芸術文化センター

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 写真は私の郷里にできた「島根県芸術文化センター」です。帰省中の10月にちょうど開館となったので行って来ました。設計は内藤廣さん。雑誌「新建築」の表紙にもなった建築なのでご存知の方もおられることと思います。

 屋根だけでなく外壁にも特産の石州瓦が使われていて、遠くから見ると圧倒的な迫力を感じますが、近くにいくと築山の効果と玄関付近の高さが押さえられているために落ち着いた印象を与えます。内部は水を張ることができる中庭を中心にホールや美術館が配置され、入場者は中庭に沿った回廊を歩いて各施設に入ります。鉄筋コンクリート造ですが、型枠に杉板を使っているため木目が残り柔らかい印象。また仕上材にも杉板が効果的に使われていました。奇をてらったデザインではなく、しかし易きに流れることもない(実際、施工も容易でなかったと思う)、静かで力強い建築でした。

 郷里に何があると聞かれて思いつくもの~瓦屋根、針葉樹の多い山、きれいな川や海~が全てここにあると思いました。しかもこれまでになかった建築と言う形で、何もない(内藤氏は「眠っている」と表現した)山陰の小都市に突如として現れたのです。このセンターを中心に、文化の「波紋」がどのように広がるのか非常に興味深いところです。

 このような大規模建築ができると賛否両論かまびすしく、「老人ホームを作ったほうがよかった」という人もいます。しかし私は街の規模に比べて確かに大がかりな建築と認めたうえで、それでも価値あるプロジェクトだと思うのです。特に若い人にとって、ふらりと立ち寄れ芸術に親しむ場ができたことは大きいと思います。しかもその「場」が、上質の空間となっている…郷里にできた初めての豊かで刺激的な「場」です。

 地元の人にはこの空間をとことん、使い倒して欲しいと思います。ちょっとやそっとではびくともしない建築だと思いますし、そのように内藤さんも設計されたに違いありません。

 この建築が30年前にできていたら、私の人生も変わったかもしれないなぁ…そんな建築でした。

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設計強度偽装に思う

 建築物はその完成までに多くの人の力を必要とします。そのため、それぞれの段階でより良い建築になるよう知恵を出し合うことができます。
 ところが、今回の事件は違いました。設計側が偽装し、検査機関は見落とし、施工段階(建設業者)でもチェックされなかった。「几帳面な日本人」はいったいどこに行ったのでしょう。そして、皆どこを向いていたのでしょう。その空間を使用する人のことを考えていたとは到底思えません。事件発覚後の三者のコメントも、同様の印象を受けます。
 より良い建築を生み出すことを社会的な使命とする建築士・建築主事・施工管理技師などのいわゆるプロが、ことごとくその立ち位置を誤った結果、最も守られるべき使用者(住み手)に大きな被害を与えることになったことは衝撃で、ぞっとしたのは私だけではないはずです。
 大多数の有資格者は真摯に仕事に取り組んでいると分かっていても、「プロに任せたからといって安心できない世の中なのか」と感じてしまう…なんとも後味の悪い事件です。そして今後仕事をする際にはプロとして、自分の立ち位置を常に意識したいと思いました。

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